2016年10月1日(土)14:00-18:00 レグザムホール(香川県民ホール)大会議室で行われた [[Webridge Meeting SP22 ] Web アクセシビリティはじめの一歩](http://webridge-kagawa.com/meeting/sp/161001/) に参加してきました。
今日から始める Web アクセシビリティ、まずはココから! ~ Web アクセシビリティ はじめの一歩、キホンの「キ」~ (植木 真さま)
- アメリカでは、Web アクセシビリティの実装が法律で義務付けられている。
- 日本でも、平成28年4月1日から「障害者差別解消法」が施行された。
- 障害がある人のためだけでなく、デバイスの多様化や多種多彩な使われ方に対応する必要がある。
- 高齢のユーザーでも使いやすく、さらにはユーザー全般のユーザビリティーを向上する。
- 超高齢社会+障害者差別解消法+2020年パラリンピック
- ユーザー×利用環境×場面・状況で多種多彩なシチュエーション。
- アクセシビリティは Web コンテンツの品質基準
- ガイドラインには3つのレベルの達成基準がある。A, AA, AAA
見出し
- ユーザーは文章の全てを読んでいない。
- 目の動きは F 字型。
- 見出しレベルはスキップしないほうが良い。
- h1 要素はページ内でひとつにする。
リスト
- 文章の要点が明確に
- 文章のテンポがよくなる
- 箇条書きの前にはリード文を入れる。
リンク
- 「ここをクリック」や「こちら」ではリンク先の内容がわからない。
- このストレスがサイトの印象を悪くする。
- リンクテキストとリンク先の大見出しは同じにする。
画像の代替テキスト
- 画像に文字がある場合はそのまま代替テキストにする。
- グラフの中もテキストに書く。
- alt 属性がないとファイル名やリンク先の URL を読んでしまう。
- 画像と隣り合ったリンクテキストは一個の a 要素で囲む。この場合、alt の記述は不要となる。
- figcaption 要素は写真用のキャプションを入力できる。
文字サイズ
- 文字サイズ変更ボタンは不要。
- 音声読み上げ用ボタンは不要。
- 色合いの変更ボタンは不要。
- 読みやすい文字サイズは人それぞれ。
- コンテンツは拡大できるようにする。
- 老眼世代には標準文字サイズを大きく
フォーム
- label 要素でラベルと入力エリアを関連付ける。
- プレースホルダーに項目名を入れない。
- エラーはエラーが起こった場所を明示する。
- どういうエラーが起きて、どうすれば良いのかを伝える。
色
- 坂本様のセッションにて。
キーボード操作
- フォーカスの移動・リンクを押すなどの動作がキーボードでできるように。
- フォーカスの現在位置がが表示されているか?
ページタイトル
- 前後の文脈がなくても意味がわかる
- 簡潔である
- 「ページタイトル | サイト名」が良い。
WAI-ARIA
- タブなどはソースコードからどんな構造か判断できない。
- role 属性はデフォルトの役割を上書きする。
HTML5 で今日から使える WAI-ARIA ~Webアクセシビリティ はじめの一歩、アリアの「ア」~(大藤 幹さま)
- WAI-ARIA とは、Web アプリケーション向けの要素と属性の追加セット
- role 属性を使い、既存の要素を上書きして別の要素に変更する。
- 追加される属性は3種類。HTML5 ではすべての要素に使用できる。
- role 属性
- aria-**** 属性
- tabindex 属性
tabindex 属性
- インタラクティブな要素は全てフォーカス可能にする必要がある。
- tabindex=”0” フォーカスのみを可能にする。
- tabindex=”-1” フォーカスできなくする。
role 属性
- ランドマーク・ロール(nav, main とか)
- 文章構造ロール
- ウィジェット・ロール(部品)
- 抽象ロール
ランドマーク・ロール
- ランドマーク・ロールは全8種類
- banner
- main
- contentinfo
- navigation
- complementary
- form
- search
- application
文章構造ロール
- 以下抜粋
- document
- img
- separator
- heading
- region
- article
- list
- listitem
- presentation = 要素から意味・役割を削除する。見た目だけ。継承される。
ウィジェット・ロール
- 以下抜粋
- tree = Windows エクスプローラーみたいな表現のときに使う。
aria-**** 属性
- 関係を示す属性
- ウィジェット属性
- ライブ領域属性(リアルタイム更新を知らせる)
- ドラッグ&ドロップ属性
- aria-label 属性 = テキストリンクにラベルを付けられる。
- aria-labelledby 属性 = 他の要素をラベルとして使用する。
まとめ
- WAI-ARIA はすぐにでも導入可能
- 属性を覚えるだけでオッケー
- アクセシビリティの問題もかんたんに解決できる機能がある
- 使わないのはもったいない
- 普通のブラウザでは影響がない。アクセスビリティ API 利用時のみ影響が出る。
今日からできるカラーデザインチェック ~ Web アクセシビリティ はじめの一歩、カラーの「カ」~(坂本 邦夫さま)
- 老眼が進み 12px のフォントサイズに殺意を覚える
- ウェブサイトは目で見ている人が多い。
- 見えることには個人差がある
- 視力の衰え・加齢による目の変化
- 疾病などによる個人差
- そもそも色を識別する錐体細胞の数や働きが同じとは限らない。
- 色々な見え方
- ロービジョン = 全盲ではないが極端に見えにくい
- 色覚の違い。日本人の男性の5%は色弱者。
- 配色の基本的な考え方
- 色だけに頼らないようにする
- 多くの人に見えるように作る
- 小さい字・薄い字は読みにくい
- 資格での閲覧を配慮しないのは、機会損失の極み
- 客観的基準としての基準
- JIS X8341-3 色に関する基準
- 色だけで区別しないこと
- 「はい」は緑のボタンをクリックしてください。など
- 色と形状とテキストをセットで使う
- 文中のテキストリンクは文字色が青いだけじゃなくアンダーラインを引くとか。
- 色分けされたグラフなどは使いにくい。
- モノクロにしてみて判断できない物はアウト。
- 読みやすくすること
- コントラスト比が高いほうが見やすい
- カラー・コントラスト・アナライザーというソフトがある。
- コントラストは最低 4.5:1 以上。
- 高度(AAA)レベルのコントラスト比は 7:1 以上。
- 実務的には全て 6:1 を目標に!
- オレンジと緑はコントラスト比が出にくい。
- Google など有名なサイトでは、モバイルサイトの方がコントラスト比が高い
- 外光などの屋外環境に影響されやすい
- 文字が物理的に小さい
- フィルムを貼っている
- ピカピカさせない
- ポケモンフラッシュはだめ
- 閃光は一秒間に三回まで?
- 判断基準が難しいので閃光は使わない
- カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット
- 文字で使うとコントラスト比が足りない場合があるので注意
- 色分けとか背景色などに使うと良いかも。
- 様々なツールでチェック
- Illustrator, Photoshop で色に関するチェックができる。
- 「色のシミュレータ」というアプリ
- (un)clrd という Chrome 拡張機能がある
- ChromeLens という Chrome 拡張機能がある
- 実際に目を細めてみる。かすみ目や老眼のエミュレーション。
- 後から直すと大変
- デザインの要件とする?コントラスト比とか。
- まとめ
- 見え方と環境は一定ではない
- 最低限の基準を満たしたサイトに
- デザインと配色チェックを習慣づける。慣れるとわかる。
感想
▲ 登壇者の皆様集合。
アクセシビリティとはなんぞやから、支援技術まで体系的に学べた有意義なセミナーでした。
登壇者の皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。